コロナ禍でも、親だけは結婚式に賛成してくれると思っていた

久しぶりに実家に帰った。

つけっぱなしのテレビでニュースが始まったとき、父親にいきなり、「コロナは終わらん、披露宴は諦めろ」と言われた。私はいまのところ、無事に結婚式を挙げるまでは、籍を入れるつもりがない。

そのちょっと前まで、父親は「俺はもうワクチン打ったからコロナの心配はいらない、お前も早く打て」とか言ってたんだ。
ワクチンに対する考え方や効果は、人によって違うし、専門家でもないのでわからない。ただ、父親が「ワクチンを打てば大丈夫」という考えを持っているならば、もう少しして国民の大半が打ち終われば、コロナはある程度まで収まると考えていたって良いような気がする。実際どうなるかではなくて、父親の理論の中ではそう考えたっていいような気がする。
なのに、コロナは収まらないって?矛盾を感じなくはなかったけど、言い返す気力も起きなかった。

今日は母親も、私が2年近く着け続けている婚約指輪を見ながら、「いつまでその指輪つけてるの、他の指輪あげようか?」とか訳のわからないことを言ってきたし、まぁ要約すると、式なんかいいから早く籍入れろってことなんだとは思う。

結婚式って、立派な家を継ぐ長男の嫁とかでない限り、新婦本人(私)の次にこだわるのが、新婦の親だと思ってた。特に父親。
会社の飲み会で、娘を持つお父さんが、バージンロードを歩くときに恥ずかしくないようにダイエットする!とか、花嫁姿を見るまでは死ねない!とか言ってたのを聞いたこともある。お金がないから式は挙げないと言った娘夫婦に、式だけは挙げなさいといって貯金を渡した人も知っているし、娘の結婚式のアルバムを会社に持ってきて、綺麗でしょ、良い式場でしょ、俺に似なくて美人でしょと、誇らしげに見せて回っていた人もいた。

逆に、息子のいるひとからは、入籍に際して「やっと落ち着いてくれたよ」みたいなことは言っても、結婚式に関する発言はあまり聞くことがなかった。どちらかというと「お嫁さんがやりたいようにやったらしい」くらいのテンションが多い気がする。

だから…新婦側の親、私の親だけは、私と同じように結婚式をやりたいという側で、味方でいてもらえると、私は心のどこかで期待していたらしい。状況的に厳しいのは私だってわかってるけど、私が自分でもう諦めると言わない限り、親には否定してほしくなかったなぁ。そもそも親との関係もそんなに良くないのに、勝手に期待していた自分もバカらしい。

ショックが渦巻いて、帰りの新幹線でボロ泣き。最近よく泣いてるな私。