膝ついて指輪パカッてやってほしい!

最初に買ったゼクシィは、2018年6月号。

その時点では正式に婚約していたわけではないけど、付録のティファニーの婚姻届が欲しくて買った。

彼氏は、居酒屋のテーブルで酔っぱらいながら、その婚姻届をサラサラと記入した。
「私が勝手に出すかもよ?」「構わないよ」なんて会話があって、嬉しいような、ノリが軽すぎてかえって不安になるような、複雑な気分だった覚えがある。

その婚姻届けは提出せず保管したまま、少し後にプロポーズを受けた。
さらにいろいろあって(※浮気とかではない)、一度は受けたその申し出を「差戻」した。
おつきあいだけは継続したまま、今に至る。

 

そして、結婚話が再浮上。
差戻をした経緯もあるから、少しワガママを通すことにした。

一から、プロポーズからやり直してください。

差戻に至るまでの経緯。無駄になった時間。そのもやもやした不満が晴れて、やり直してよかったと思うくらい、私を嬉しくさせてください。

…とはいえこれだけでは彼氏も困るだろうから、具体的に要求を言うことにした。

「膝ついて指輪パカッてやってほしい!」
指輪は好みもあるから、一緒に選んだほうが良いかと思って…と、彼。

たしかに。ならば。
「指輪を一緒に選んで買ってもらって、そのあとにパカッとプロポーズをしてもらおう!」

結果、婚約していないのに、二人で婚約指輪を選びにお店に行く。という謎の状況になりました。
こんなに私の希望通りで良いのかしら。ありがたい。

 

結婚願望のなかったころから、結婚式だけはしてみたいと思っていた。
世の中には「ソロウエディング」なんてサービスもあって、真剣に調べたこともある。

だから、いざ結婚話が具体的に立ち上がると、同時に夢も膨らむ。
婚約指輪にだって、憧れがある。

結婚は生活だというけれど、恋愛が終わってしまうかもしれないけれど、
だからこそ、「結婚という幸せに一歩ずつ近づいている夢」を見れるうちにしっかり見ておきたい。

その思い出がないと、きっとまたプロポーズからやり直したくなってしまう。

 

「結婚準備」という浮かれた時間を、しっかりと覚えておくための記録。
いつまで続くのかも、本当に結婚できるのかも不明だけど、とりあえず、ひとつのはじまり。