同棲開始、彼氏に「最初の半年間は家事をぜんぶやってくれ」と言った理由
結婚を前提に、彼氏と二人暮らしを開始しました。
最初に決めておいたほうが良い問題の一つとしてよく聞くのが、家事分担。
ここで私は彼氏に「最初の半年間は家事をぜんぶやってくれ」と頼んだ。
私たちは二人とも正社員、収入も大差なく、結婚後も共働きの予定。子供はいないし、健康で、妊娠もしていない。この状況で、半年限定とはいえ、家のことを全部男性が行うというのは、けっこう珍しいことなんじゃないかと思う。結婚とは二人支えあって生きていくことなのに、いきなり全部の家事をやれなんて、なんて上から目線なんだと思う人もいるかもしれない。
もちろん、ただ楽をしたいから押し付けるとかではなくて理由がある。
半年後には、だいたい半分くらいの負担になるように家事分担を決めるつもりでもいる。
彼にすべての家事をやってもらう目的は、簡単に言うと、その分担を決めるため。そして最終的に対等な関係を築いていくためで、二人で末永く仲良く快適に暮らしていくためである。
それには前提条件として、一人暮らしをしていた私と同じ程度のスキルと経験を持ってもらうことが必要だと考えた。きちんと理由も話して、彼も納得してくれた。
彼氏に最初の半年間は家事をぜんぶやってもらう、その理由を書きます。
家事経験の上下関係をなくす
私は社会人になってから長年、一人暮らしをしていた。一方で、彼氏はずっと実家暮らしで、家を出たことがない。
正直いって私の中には、親元から独立した暮らしや家事について、自分は経験者で、彼は初心者だという意識がある。
反対に彼氏の中にも、調べるまえにとりあえず私に聞けばわかるというような、やや甘えた感覚がある気がする。
例えるなら、彼は新入社員で、私は仕事を教える先輩社員みたいな意識である。
これまで、家を決めるときや引っ越しの手続きとかのもろもろでも、どことなく私は自ら先輩面をして話の主導権を握っていたと思う。彼の意見はできるだけ尊重しようとしたけど(尊重するという表現が既に、最終決定権が自分にある感じがする)、それは私の提示する「どっちがいいと思う?」などの問いに答えてもらうような形ばかりだった。
それが二人の性格で、そうやって上手くいく関係なら良いけれど、私たちはたぶん違う。デートの予定や行き先、交通手段や段取り、どちらかといえば彼氏のほうが積極的に情報を集めてどんどん決めてくれるタイプなのだ、本来は。
だからいつまでも自分に主導権がない状態は、彼にとってストレスになるかもしれないし、私も慣れないリード役は疲れる。
引っ越しに関することは一時的なものだし、失敗したときのリスクが大きいから、経験者の私が主導権を持ったままでも仕方ないかと思って、私が先輩役のまま過ごした。が、生活全般は違う。
新入社員とと先輩社員の意識ではなく、せめて同僚くらいの対等な意識になれるくらいには、彼に早く成長してほしいし、私も彼を一人前だと認めて頼りにしたい。
実際に何をどこまでできるかだけでなく、お互いの意識を塗り替えること。
それには、一から十まですべてを任せて、問題なくこなせましたという事実があることが一番いい。
一通りの家事の引継ぎをする。
私は一人暮らしの間、家事を完璧にやっていたとは言い難いけれど、一通りわかってはいるつもりだ。一方で彼氏は実家暮らしの間、そんなに積極的に家事をしていたとも思えない。
だからまずは、彼氏が何をどの程度できるのかを見ながら、一通りの家事を教える必要がある。
同棲を開始するにあたって、家電類はほとんど買わず、大半は私が一人暮らしで使用していたものをそのまま持ち込むわけで、それらの使い方も覚えてもらう必要がある。
たとえば、最終的に私が料理担当になるとしても、帰りが遅くなる日に「炊飯器のスイッチ入れといて!」「それどのボタン?」みたいなことがあっては困る。分担外の仕事も、最低限の一通りは、覚えておいてもらいたい。
ただ、一通りの家事の引継ぎだけなら、彼氏は別に物覚えが悪いわけでもないし、2週間もあれば充分だろう。
半年間としたのにはもっとたくさんの理由がある。
楽しい体験ではなく、面倒さを実感するまで。
いきなり、一人で家事を全部やるのは大変だ。
でも、初めから2週間限定のつもりだと、案外楽しくできてしまうのではないかとも思う。
例えば料理も、2週間分くらいなら、クックパットを眺めながら「明日はこれ作ってみよー♪」と挑戦しているうちに終わってしまうかもしれない。
でもリアルな家事は、「今日の夕飯何にしよう…カレーは先週作ったばかりだし、野菜炒めにするにしても昨日と違う材料で…」って感じ。毎日の献立に悩むところから始まる。
彼には、その域まで体験してもらいたい。
それには最低でも半年は必要だと思う。
本当は2年くらい欲しいけど、さすがに負担が大きいから、せめて半年。
料理だけじゃない。
半年あればきっと、雨続きで思うように洗濯ができない季節もあるだろう。
疲れて帰って家事をしたくない日もあるだろう(あまり極端な時は手伝うつもりだけれど)。
実際の家事スキルだけではなく、その「面倒だな、家事嫌だな」と思う感情まですべてを持ってやっと、ふたり同じ目線で対等に、家事について話し合えるようになると思う。
「名もなき家事」を含んだ家事の総量を把握してもらう。
家事分担の話をするとき、最初に彼氏は、「料理は俺がやるからー、あとは洗濯と掃除?」みたいな感じだった。
この状態でいきなり半分ずつに家事を分担したとしても、実際には私の負担と不満ばかりが大きくなると感じた。
たとえば、料理は彼氏・皿洗いは私と分担を決めたとして。
・食事の前に箸を並べるのはどっちの仕事?
・シンクの掃除はどっち?
・残り物にラップをかけて冷蔵庫に入れるのは?
といったどっちつかずの作業が発生する。「名もなき家事」なんて呼ばれることもあるものだ。
これらを彼はしてくれるだろうか?
「お互い納得して平等に分担した。そして、自分の分担はちゃんとやっている」という意識があるために、それ以外のどっちつかずの家事の存在なんて思いもしないのではないだろうか?自分の分担された仕事さえ終わったら、残りはすべて私の仕事だと思って、私が何をしているかを意識しないのではないだろうか?
私ばかり「やってあげている」つもりになって、彼は気づきも感謝もしない。そんなのはごめんだ。
これらの細かい家事ひとつひとつに分担を決めるのは難しいし、最終的には「どっちつかずの分は、助け合いの気持ちで、気がついた方がやろう」というルールになるかもしれない。
それでもまずはその家事の存在を、分担しきれない作業を含んだ総量を、把握してもらえないと話にならない。全部やってみて、これだけあるんだとわかっていれば、分担外の仕事を相手がやってくれていることに気づいて感謝をするし、どこかでお返ししてバランスを取ろうと思うだろう。
家事全体の流れを知る。後の人のためになることを考える。
そもそも家事というのは、一つ一つの仕事の集合体ではなく、流れだ。
たとえば、料理から皿洗いまで一人で担当すれば、料理中、洗い物を増やさないように考えながら調理器具を使うだろう。
これを最初から「料理は彼氏・皿洗いは私」と分担したら、洗い物を減らす努力なんて考えもしないかもしれない。
相手への気遣いの有無ではなく、そもそもそんな着眼点を持ち合わせない、ということ。
・洗濯物を干す前に、軽くたたいてしわを伸ばしておくと、アイロンがけが楽になる。
・掃除をするのは高いところから。ホコリを落として、最後に床。
・炊飯器でお米を炊くのは、食事の時間から逆算する。
家事は流れだ。あとの作業を考えながら行うことで、全体がスムーズに回る。
それぞれの作業ではなく、一連の流れを行うことで気が付くことも多いと思うから、最初は分担をせずに全部をやってほしい。
短期間ではわからない結果。汚れは徐々に蓄積する。
家事には、一見きちんとしているように見えても、実はできていなくて、長期間かけてその結果がわかるというものがある。
たとえば、Yシャツのエリやソデの汚れ。
綺麗な状態から1回や2回は、着てそのまま洗濯機に入れるだけでも、特に汚れは気にならない。
でも、3回4回、それ以上の回数を着るうちに、洗濯したのになんだか汚いぞ、汚れが落ちていないぞって思うようになる。
だから、Yシャツは洗濯機の前にプレ洗いが必要だ。
半年間、彼氏にすべての家事をやってもらうというけれど、何も完璧にやってくれるとは予想していない。
だんだん慣れて、手を抜くようになることも、想定内。
そのうえで、手を抜き続けた結果がどうなるかを、Yシャツのこの4回目の汚れを、きちんと経験してほしい。
2週間ではそこまでの結果が出ないから、だから半年なのだ。
テレビCMの影響か、彼は現代の洗剤は優秀で、洗剤だけですべての汚れが落ちると思っているような節がある。
実際、最初に洗濯のやり方を教えるときに、「エリソデはこれでプレ洗いをしてから~」と教えたら、「なんのために?やらなくてよくない?」という反応だった。
もし2週間で一通りの手順だけを教えただけで、彼氏がプレ洗いの価値に納得しないまま、家事分担を決めてしまった場合を想像する。
交代で洗濯をすることにしたら。私は毎回プレ洗いをするのに対して、彼氏はその必要性を感じずに手順を省くかもしれない。そうしたら、一見平等に交代しているようで、実は負担の大きさが違うってことになる。
交代ではなく私が専属で洗濯担当になったとして、「洗濯に時間がかかる」とか言ったとき、彼氏は「やり方が細かすぎるんだよ。もっと適当でいいのに」くらいに思って、(Yシャツを着るのは彼だけなのに)その手間に感謝をしてくれないかもしれない。
かといってプレ洗いを止めて汚れが溜まったら、「ちゃんと洗えていない。洗濯機に一度に詰め込みすぎなのでは?」とか的外れな文句をつけるかもしれない。
どうなるにせよ、自分で失敗して理解してもらうのが後々にとって一番良いのだ。
そのための、半年間。
ちなみに、洗濯の例で書いたけれど、汚れが溜まる個所としては他にも、お風呂のカビとか、トイレの黒ずみリング汚れとか、排水溝の詰まりとか、いろいろある。
汚さの許容限界を知る。
彼氏と一緒に住むと決めたとき、事前に相談をした友人がいる。
その人は、恋人と長年同棲して、その後に結婚などしないまま、別れを経験している。
要するに、失礼ながら「反面教師にしたいので、何があったか教えてください」と請うたわけです。
その人の経験曰く、「汚さの許容範囲が違った」と。
自分も汚いのは平気な方だと思っていたけど、相手はもっと平気だった。
例えば、使ったお皿をいつまで洗わずにおいておけるかという問題。
しばらく放っておいても結局自分のほうが先に許容限界を迎えて、そうすると自分ばかりが片づけることになった。という。
なるほど。経験者の話は具体的だ。
同じパターンを回避するには、事前に相手の(お互いの)汚さの許容範囲を知っておいた方がいいかもしれない。と学んだ。
私は一人暮らしでかなり散らかった生活をしていて、自分の許容限界点は知っている。
・食器をシンクに溜めてから「いい加減洗わなきゃ」と思うまでの期間。
・シーツやタオルを交換する頻度。
・ホコリが気になってモップをかけるまでの期間。
彼氏は、特別に綺麗好きではないようだけれど、自分の許容範囲を自分でもわかっていないだろう。
シーツ交換なんて親任せで、どれくらいの頻度で変わっているか、意識したことすらないかもしれない。
食器をほおっておいて、どれくらいでどんなふうにカビが生えるかも知らないだろう(知っている私が問題かも)。
だから、まずは彼にやってもらう。
最初はこまめにやるだろうけど、半年もあれば次第に面倒になって、後回しになったり、頻度が減ったりする。
そのうち自分なりの、手間や面倒さと、許せる汚さの、妥協点を見つける。
それを、私は見て、把握したい。
半年後に正式な家事分担をするにあたって、これら衛生面にかかわる家事は、「許容範囲が狭く、限界点が先に来る方(綺麗好きなほう)」に分担するつもりだ。
そうすればお互いにストレスもなく、友人のような失敗にはならないと考えている。
どこまで不便でいいか、どこまでお金をかけられるか。妥協点を考える。
たとえば外出中に小雨にあったとき、「折り畳み傘は持っているけど、出すと(濡れたら鞄にしまえなくて一日手で持っていないといけなくて邪魔だし、あとで乾かさないといけないし)面倒だから、これくらいの雨なら傘ささなくていいか」と考える、その妥協ライン。
こういう、「多少の不快はあっても、面倒よりはマシ」というラインと、そのための工夫が、家事と生活にもあると思う。
例えば、私は、バスタオルを使わない。その代わりに小さいタオルを何枚も使う。
そのほうが、洗うのも楽だし、干す場所も取らないし、乾きも早いし、ずっと楽だと思ったから。
でも、彼はずっと実家で当たり前にバスタオルを使用していたから、バスタオルがないことが不便に感じるようだ。「洗濯も(半年間は)俺がするからいいよね?」と、引っ越しの際にバスタオルを実家から持ってきた。
半年後に分担を決めた後は、私が洗濯することになるかもしれないのに・・・。とは思うけれど、とりあえず好きなようにバスタオルも使ってもらっている。
ここで最初から私が「嫌だ、小さいタオルにして」と押し付けると、それを使う不便さだけが際立ってしまうだろう。
そうではなく、自分で家事をして、バスタオルは洗うのが面倒だという実感と、小さいタオルを使う不便さとを天秤にかけて、その上で考えてほしい。それでもどうしてもバスタオルを使うというなら仕方ないから従うけれど。
まずは、「面倒に感じるまで」行ってもらわないと、同じ前提条件をもって話ができない。
同じような問題では、
・高くてもノーアイロンシャツを買う?
・洗濯物は部屋干しでもいい?
・料理を頑張れないから、外食を多くする?
などがある。どれも私が一人暮らしの時に(最初のころは家事を頑張っていたけど、後半)やっていたこと。
家庭による違いをすり合わせる。
家事には、家庭によってやり方が違うものもあるから、その確認とすり合わせも必要だ。
たとえば、食器とシンクを同じスポンジで洗う家があると聞いたことがある。まぁ毎食後きれいにシンクを洗っているなら食器と同じくらい綺麗なのかもしれないけど…私はなんか嫌だ。ずっと別スポンジ派である。
掃除くらいはできるよね、と任せておいてあとから「え、シンク用スポンジで食器洗ったの!?うげー」なんて発覚したら、家事がどうこうでなく、相手を生理的に無理とかになってしまうかもしれない。それは避けたい。
・タワシでゴシゴシ磨きたい派と、傷がつくからタワシ反対派
・バスタオルは使用後毎回洗う派と、干すだけで何回か使用する派
・塩素系洗剤は怖いと思っている派と、漂白殺菌大好き派
・海外産の肉を買う人と、高くても国産にこだわる人
みたいに、家庭や個人による差って結構ある。
だから最初から分担せず、一旦はすべての家事について、お互いのやり方のすり合わせをしたほうがいいと思う。
私は、彼に家事を任せはするけど、丸投げをするつもりはなくて、ぜんぶ一緒に行動して、私と違うやり方がないか、ちゃんと見る。(見張っている、みたいに窮屈にならない努力はするつもりだ。)
そして、違うことがあれば、それはすり合わせをしていきたい。
すべての家事を渡すことができるのは、最初だけ。
彼氏に「最初の半年間は家事をぜんぶやってくれ」と言う。
最初にも書いたけれど、ただ楽をしたいから家事を全部押し付けるとかではない。
経験のある私が100を持っていて、そこから「これとこれとこれを任せる」と半分の50を彼に渡す。
近年話題になる「名もなき家事」問題なんかを見ながら、きっとそれは無理だと思った。
何かしら見逃されて、不公平感が積もっていくと思った。
ただ、まずは100すべてを彼に渡す。
スキルも、「面倒」や「大変」などの感覚も、楽をするためのコツも、二人とも同じように持つ。
そのあとなら、対等に、平等に、50ずつ分け合って、分担しきれないところも助け合って、上手くやっていくことができるんじゃないかと思った。
そして彼の心証を考えると、100を渡すことができるのは、最初だけだと思った。
それでも、私ばかりが得をしてずるいのではないかとか、ものすごく悩んだけれど、ちゃんと目的を説明したら、彼氏はちゃんとわかってくれた。
半年間、彼がどのように働くかはわからない。
部屋は散らかり放題、食事はお惣菜だらけになるかもしれない。
すぐに「やっぱり辛い、半分やってくれ」と言ってくるかもしれない。
どうなるかは、また半年後にここで報告できればいいなと思います。
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