同棲中の彼氏にすべての家事をやってもらっている、私の心境
現在、半年間限定の約束で、一緒に暮らしている彼氏に、家事をすべてやってもらっている。
主な目的は、実家を出たことのない彼に、家事に関する意識付けをして、その後平和に家事分担を行うためのものである。会社の新人教育計画のようなつもりで、最初が肝心。したがってその計画は、「彼の意識をどう持っていくか」ということをメインに立てたものである。
ところで、この計画によって、「私の意識や心境はどう変わるか」というのは、正直あまり考えていなかった。しかしやってみると、私の意識もだいぶ振り回されている。
申し訳なさや罪悪感。不安と嬉しさ。しかしこれくらい当然だと言いたくなることもある。いろんな気持ちがぐるぐるとする。今回はそのあたりをまとめて書いてみようと思う。
申し訳ないから、私も同じだけの時間を無駄にする
実家暮らしだった彼が、家を出ていきなり、すべての家事を一人でこなす。もちろんフルタイムの仕事をしながら。どう考えても彼に負担がかかっているわけで、申し訳ないとは常に思っている。
でも私は決して、面倒を彼に押し付けて自分が楽をしたいわけではないし、そう思われても困る。だから、彼が家事をしている間、私は自分の時間を過ごすのではなく、彼の家事にずっと付きまとっている。
最初のころは、家電の使い方を教えたり、「それ歯ブラシ使うと楽だよー、余ってるのあるよー」とかアドバイスすることもあったけど、もうそれはほとんどない。けれど、変わらずに、彼の後ろでずっと見ている。
料理をしていたら、「いいにおいがする!お肉だ、わーい!」と言いながら。
掃除をしているときは、「うわー私の髪の毛ばっかりだねごめん…っていうか抜けすぎー?」とか言いながら。
彼は、「せっかく俺がやっているのだから、自分の時間を好きに使いなさい」と言ってくれる。「テレビ見てていいよ」と言ってくれるけれど。もしかしたら邪魔なのかもしれないけど。
彼が私との生活のために、自分の時間を犠牲にしてやってくれていることなのだから、私もせめて同じだけの時間をそこに費やそうと思っている。彼に家事を押し付けて、私は遊んでいるという構図は、なんか違うと思うから。
ちなみに、きちんと家事分担をしたあとは、こんなことは不要だと思う。時間の無駄だし、どうせ見ているなら手伝うべき。この半年間限定の新婚さんごっこだと思ってやっている。
新生活費用の対価としての家事
今回の新生活、家具家電から生活用品まで、ほとんどは私が一人暮らしをしていた時のものをそのまま使用している。彼は当初、「俺の荷物は服とゲームだけ」なんていっていたくらいだ。(実際は彼のお母さんがもう少しいろいろ持たせてくれた)
しかし、リビングに敷くマットとか、スーツに使えるスチームアイロンとか、新たに買い足したものも結構あって、それらは「私が欲しいから勝手に買っちゃった」と言い訳しながら、家計ではなく私が買っていたりする。
反対に彼のスーツをかけるためのハンガーラックや、彼が欲しいと言ったテレビは、彼は自分で買うと言ってくれることもあるけど、家計から出していいよと伝えている。
これにはちょっとした理由がある。
実は彼とは、かなり前、結婚予定もなかった付き合い始めの頃に一度、一緒に住もうという話が出たことがあった。言い出したのは彼だったのに(今思えば口説き文句の一つくらいで本気じゃなかったのかも)、最終的に彼は「初期費用にあてるお金がない」という理由で、それを渋ったのだ。
一緒に住みたかった私は当時、「家電も生活用品も一式、私が持っているのだから、かかるのはマンションの初期費用くらいだよ」と説得した。結局ダメだったけど。だから今回の新生活にあたっても、マンション契約以外の初期費用は、「話が違うじゃないか!」と言われそうで怖くて、彼に払わせにくい。
まぁ、マンションの契約料は半分ずつ出したし、月々の生活費も折半だし、私が勝手に怖がっているだけで、文句を言うほどのことではない。
しかし、それでもやっぱり、たまにケチな気分になるのも事実。
お金のない新入社員のころに苦労して買いそろえた家具、その苦労も知らないで。彼は箪笥すら持ってこなくて私のをあげて、私は自分用に衣装ケースを買い足した。目覚まし時計も私の持ってきたものだけで、先に起きる彼が目覚まし時計を使って、私のことは彼が起こしてくれ…たのは最初だけで、いま私は毎日スマホのアラームで起きている。私の大事にしていた記念品のボールペンも貰い物の付箋も自分の物のように使い散らかされて嫌だった、普通に使うならともかくメモ帳の表紙とかにまでメモ書きするの嫌。なぜかお気に入りの高級食器から順に割ってしまうのは仕方ないけど、代わりのものを買うと言って100円均一に向かうのもなんだか。
こういう不満って、喧嘩の元になるかもしれない。けれどそんなときに、「彼はその分、家事労働をしてくれている」と思うと、一気に許せる。労働だもん。対価は私が払うべき。
本来しなくていい苦労を、私のためにしてくれている
私は、もし彼に振られてこの同棲生活が終わってしまったら、また一人暮らしだ。
でも彼氏は違う。親とも仲が良いし、いつでも実家に帰れる。
実家にいれば収入はすべて自分のお小遣いになるのに、私と一緒に暮らすためだけに、わざわざ家賃生活費を払っている。実家にいればお母さんにほとんどの家事をやってもらえるのに、私と一緒に暮らすためだけに、家事という労働までしてくれている。しかも、実家のほうが職場にも近くて通勤が楽。
私との生活のために、本来しなくていい苦労を、彼にわざわざさせている。このことは常に頭にある。
そうまでして私と一緒に暮らしてくれていることへ、感謝。愛されてるなぁとも思う。嬉しい。ありがたい。
一方で、その苦労に見合うだけの価値が、私との生活にあるのだろうかという不安もある。苦労に見合うだけの安心や楽しさを、私は提供できているのだろうか。それがなくなったら、彼は実家に帰ってしまうのではないだろうか。
結婚しているのなら一緒に住むのも自然かもしれないけど(そのつもりで一緒に住み始めたけど)、コロナのせいで入籍が先延ばしになっている状況だからなおさらだ。おいしいご飯を作って快適な生活を提供する彼女でいれば、そんな不安は持たないかもしれない。でも私はいま、彼に家事を全部させている。こんなことで良いのだろうかと、彼の目が冷めてしまわないかと、毎日不安になる。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません